石持浅海「顔のない敵」に見る彼の原点

石持浅海という作家をご存知だろうか?
私が昨年末に嵌ったミステリー作家なのだが、この人の作品は一風変わっている。
というのも限定された場所、限定された登場人物で物語が
成り立っており、いろんな場所がクローズアップされることがない。
また、事件を解決するのは刑事や探偵ではなく、普通の人。
まさにサラリーマンやらOLなのである。

で、今回読んだのはその石持浅海の「顔のない敵」という短編集である。
全部で7編が収録されているが、その内6編のテーマは「対人地雷」
というこれまたマニアックなテーマである。
彼は最初は軽い気持ちでこのテーマを選んだようだが、
資料を漁る内にそんな軽いテーマではないことに気付いたそうである。
そのせいか、単なるミステリとしてでなく、それぞれの作品が
読後に真剣に考えさせられるものになっている。
もともとは別々に文庫等で収録されていたものであるが、
まとめて読むとそれぞれがリンクしていてなかなか面白い。
そういう意味ではお買い得である。

それから残る1編は正真正銘の彼の処女作「暗い箱の中で」である。
冒頭で石持浅海の特異性を書いたが、その特異性が既に現れている。
本人もあとがきで、
「現在の石持浅海を構成する要素はすべてこの作品に揃っている気がします。」
と言っています。

というわけで、既に他の作品を読んだことのある方にも
これから読もうと思われた方にもお勧めの1冊と言えます。
私は既にこれで3冊目になります。。。後日ランキングしたいと思ってます。
(もう何作品か読んでからかな^^)

顔のない敵 Book 顔のない敵

著者:石持 浅海
販売元:光文社
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(石持浅海「顔のない敵」関連のココログ)
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