赤川次郎「探偵物語」の爽快感

今回は前々回の「プロメテウスの乙女」に続いて、
角川文庫から出ている赤川次郎ベストセレクション
の中からのご紹介です。

ちなみに「探偵物語」なるこの小説は有名な
松田優作主演のドラマとは無関係です(笑)
あの男くさい感じとは違って、一つの青春小説と
呼べる内容になっています。

お金持ちのお嬢様である直美と、
うだつのあがらない探偵の辻本という凸凹な
組み合わせの2人がいつしか事件に
巻き込まれていきますが、テンポが非常に良く
他の赤川次郎作品にも増して、
非常に読みやすく仕上がっています。

あと、これは25年以上前の作品なのですが、
古さを感じさせないのはさすがだと思いました。

さて、ベストセレクションも残りわずか。。。
全部読み終わったところでまたランキングでもやります。
お楽しみに~!

(赤川次郎「探偵物語」関連のココログ)
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赤川次郎「プロメテウスの乙女」の悲哀

今回は久しぶりに赤川次郎のご紹介。
角川文庫から出ているベストセレクションの中の
「プロメテウスの乙女」です。

この作品は今まで私が読んだ作品とは違い、
ユーモアな部分は全くありませんでした。
生きにくい世の中にした首相の暗殺を企てる
女性達の物語と言えばそのシリアスさが伝わるでしょうか。
設定は近未来になっていますが、
昔の方が現実感はあるかもしれません。
(現代のこの世の中で暗殺するほど価値のある首相って
 なかなかいないように思えたので。。。
 首相暗殺で日本がいい方向に行くって考えにくいですよね)

こういう作品でも、テンポを大切にした読みやすい形に
仕上がっているのがすごいところかもしれません。
結局のところ暗殺は1人の少女によって
成功したと思われるのですが、そこまでに犠牲になった
女性達の事を考えると、悲しみしかわきませんでした。

いろんな意味で考えさせられる作品ではありますが、
私としてはやっぱりユーモアたっぷりの
赤川作品が好きですね。

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赤川次郎「とりあえずの殺人」に見る時代

こんにちは。
ちょっとだけ夏休みをもらって、羽を伸ばしているipsedixerです。
で、こんな時こそブログを更新しなくては!

今回は前回前々回から引き続き、
赤川次郎の早川家シリーズの第3弾である
「とりあえずの殺人」です。

ストーリーとしては、会社の社長とその秘書が
資金繰りに困る度に次々と社員に生命保険を懸けて、
まさに「とりあえず」殺人を犯していくという内容です。

今回目立つのは長兄である克己。
事件を解決に導く中心にいるのもさることながら、
1作目、2作目と同様に婚約者(?)になったと思しき
(はっきりとは記載されていないので、次回作まで不明だが)
「江美」の存在がある為でしょう。
逆に長女の美香はなんとなく蚊帳の外の感じ。
おそらくこの流れでいくと次回作はいい相手が
見付かりそうだが。。。はてさて?(笑)

そして今回面白かったのは「ケータイ」の登場である。
時代的に前2作では登場するべくもなく、
いやがおうにも時代の移り変わりを意識してしまう。
本書の中で克己が「着メロ」に逡巡する姿は
思わず笑ってしまいます^^。

なにせこのシリーズは下記の通り、次回作が
出るまでが長過ぎるんですよね。。。

1978年 ひまつぶしの殺人
1987年 やり過ごした殺人
2000年 とりあえずの殺人

というわけで次回作が出るのはきっとまた時代の変化を
感じてしまうくらい先(10~15年後?)なんだろうなと
思いつつ、早く出ないかなと思う今日この頃でした。

 

とりあえずの殺人 Book とりあえずの殺人

著者:赤川 次郎
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赤川次郎「やり過ごした殺人」のリル子?

本当に久々の記事になってしまいました。。。(汗)
どうも仕事をし過ぎで。。。という言い訳をしながら、
1ケ月以上経ってしまっていて、自分でも驚きです。。。

但し、この期間に全く本を読んでいなかったわけでもなく、
書評を書けてない本が溜まりに溜まっています。
少しずつ在庫を減らしていかねば!

それからそれからちょっとデザインを変えてみました。
夏らしく爽やかなものを探していたのですが、
SUBARUのものが目に留まったので、これにしました。
(私も一応スバリストなので^^)
リニューアルオープンということで、頑張ります。

さて今回は前回の続きということで、
赤川次郎の早川家シリーズの
2作目である「やり過ごした殺人」です。

今回は早川家に恨みを抱いている者の復讐に立ち向かう話と、
長兄の克己が請け負う殺しにまつわる話が
入り混じって展開します。
息もつかせぬスリリングさはあるのに、なぜかほんわかと
ユーモアたっぷりに進んでいくのには感嘆させられます。
結構厚い(400ページ位)のになんでこうすらっと
読めてしまうのか不思議になります。

今回はそれほど感動するような最後ではないのですが、
なかなか爽やかな感じがあります。
それと前回は次兄の圭介に岐子という
婚約者ができて終わりましたが、
今回は末弟の正実にリル子という結婚相手ができました。
リル子は「なんでルリ子じゃないの?」と何度も思いましたが、
ここは作者のこだわりのようです。。。
(詩人のリルケからとったそうな。。。知らないって普通(笑)

というわけで次回も。。。とここから先は次回のお楽しみ!

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著者:赤川 次郎
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赤川次郎「ひまつぶしの殺人」のこだわり

ここのところ1週間に1回の更新になってしまっていますが、
本を読むスピードがそれより早くちょっとたまり気味です。。。
ちょっといろんな本を読みたくて頑張り過ぎかも。。。
と思う今日この頃。

今回は赤川次郎の「ひまつぶしの殺人」です。
この本はルイさんから薦められたものです。
この作品から続く早川家のシリーズ3作を続けて読みましたが、
1冊ずつ紹介していこうと思っています。

まず早川家シリーズの最大の特徴は長兄が殺し屋、
次男が弁護士、長女が詐欺師、末弟が刑事、
そして母親が大泥棒という犯罪を犯す立場と裁く立場が
入り混じっているこの家族構成にあります。
その家族が今作品では全員ダイヤの争奪戦に
巻き込まれていくのですが、ラストはメロドラマもあって、
ちょっと感動的でした。

以前読んだ「悪妻に捧げるレクイエム」もそうでしたが、
どのキャラクタもすごく癖があるので、
それが生き生きとしていると思いました。
普通これだけ個性あるキャラクタが集まると、
話の内容を理解するのが難しくなる気がしますが、
シンプルに分かりやすく、それでいて臨場感のある
筆力はさすがでした。

最後にこの本の各章の題名には作者のこだわりがあり、
すべての章の名前が映画の題名のパクりだそうです。
下に挙げときますが、全てどの映画のパクりか
分かったら相当の映画通ですね、これは。
(私は全く分かりませんでした(笑))

第一章 早川家の秋 ← 小早川家の秋
第二章 予期された出来事 ← 予期せぬ出来事
第三章 秋の夜は四度狙わる ← 夏の夜は三度微笑む
第四章 かくも遠き無罪 ← かくも長き不在
第五章 愛とダイヤモンド ← 灰とダイヤモンド

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著者:赤川 次郎
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赤川次郎「晴れ、ときどき殺人」の軽快さ

今回は予告通り、赤川次郎ベストセレクションである
「晴れ、ときどき殺人」を読みました!

この本を購入したのは前回の「悪妻に捧げるレクイエム」と一緒でしたが、
最初に目に留まったのは実はこちらでした。
なぜかと言えば、東野圭吾が書いている帯の言葉が気になったからです。
「一行目からドラマが始まる。
 二行目にはクライマックスに向かっている。 東野圭吾(作家)」
とあったので、思わず手に取って、
「へぇ、赤川次郎ベストセレクションかぁ♪」なんて思ったわけです。

読んだ後、確かに上記の東野圭吾の帯の言葉通りであることが分かりました。
話自体はすごく軽快に進みます。
ほんとに「ときどき」殺人が起きて、結局4人が殺されることになります(笑)
すごいのは舞台がほとんど移動しないことです。
ほとんどひとつの部屋とひとつの隠し部屋だけで物語が進みます。
いわゆる「ワンカメ」をイメージするのがいいかと思います。
あとは劇場で芝居を観る感覚が一緒だと思います。
そういう限られた舞台の中で、主人公の少女が亡くなった母親の
意思を受け継ぎつつ、ある事件の犯人探しをするといった内容です。
そこに恋愛のテイストが加わって、おもしろおかしく描かれていて、
読み終わったあとは4人が殺される凄惨な話には思えず、
なんとなく清涼感があります。

そういうわけで、やはりさらっと読み終わってしまいました。
こういう気軽に読める感じが赤川次郎作品のいいところだと思われます。
また来月にはベストセレクションとして2冊出るようなので、
楽しみにしたいと思います♪

晴れ、ときどき殺人 改版 Book 晴れ、ときどき殺人 改版

著者:赤川 次郎
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赤川次郎「悪妻に捧げるレクイエム」の「ずらし」

突然ですが、今回は赤川次郎の作品を恥ずかしながら初めて読みました。
なぜにいきなり赤川次郎?って思われる方もいるかもしれません。
実は以前からずっと読んでみたかったのですが、
なにせ出ている作品数が多すぎて、何から手をつけたらいいのかと
思っていたのです。

で、ちょうど本屋を歩いていて、見つけたのが
『赤川次郎ベストセレクション』なる帯のついた
「悪妻に捧げるレクイエム」と「晴れ、ときどき殺人」の2作品なのでした。
これから定期的に刊行されるようなので、
私のような初心者にはまさにうってつけ!
刊行に合わせて読んでいこうかと思っています。

今回はまず「悪妻に捧げるレクイエム」という作品なのですが、
なんといってもとても読みやすく一気に読んでしまいました。
共同で小説を執筆する4人の男がそれぞれの妻との関係に
問題を抱えている中、「妻を殺す方法」なるテーマで
各人が思い思いの小説を書くのですが、
それが現実とオーバーラップしていくという内容。

4人の男はそれぞれに特徴を持っていて、どれをとっても魅力的でした。
。。。と思っていたら、解説を読んでこれはちゃんとそう思わせる作家の技術が
あるんだと知って、ちょっと驚きを受けました。

要は4人が4人の全く違う個性を示すことで、それぞれをより際立たせている
「ずらし」が存在しているこそなのだという。
しかもそれが同じテーマの中に存在するという点にすごさがある。
2人の登場人物だけでも文章だけで個性を表すのには苦労するだろうし、
なおかつそれを同じテーマの上で踊らせるとなると
さらに厄介だろうと思うからである。
なので、4人の思想や生活感がを際立たせる為に、精緻な表現をしつつも
すごく読みやすい小説に仕上がっているのは脅威的だと思ってしまいました。
赤川次郎おそるべし。

というわけでちょっと嵌りそうな予感があります。
次は当然「晴れ、ときどき殺人」を読もうと思います。

悪妻に捧げるレクイエム 改版 Book 悪妻に捧げるレクイエム 改版

著者:赤川 次郎
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